2009/07/14

ケニア現地調査

先週はケニア国内のリフトバレーとニヤンザに行ってきました。今年の3月に同じ地域で調査を行ったのですが、日程の都合で私は参加出来ませんでした。そこで、今回は調査地周辺で、農民から話を聞いたり、近くの街で穀物や農業インプットの値段を聞いたりして、現場の感覚をアップデートしてきました。

前にリフトバレーに行ったのは2007年1-2月に家計調査を行ったときですから、約2年半ぶりでした。そういえば、あの時は「リフトバレー熱」という牛から人間にも感染する病気が流行だしたころで、調査チームのみんなはビーフ、ポーク、ヤギ肉を避けて鶏肉や魚ばかり食べてたっけ。

今回の視察で一番驚いたのは、幹線道路が見事に修復されていたことです。以前ナイロビからナクルを通って西へ向かった時は、穴ぼこだらけの道で車の中で飛び上がりながら行ったのですが、今回はスムーズでロスのハイウェー(2005年当時)よりましでしたね。帰りはキシからナロックを通ってナイロビに戻ったのですが、こちらも思った以上に路面状況は良かったです。30キロ程は改修中でしたが。

農家はあちこち全部で10件くらい訪問してきました。今回見て回ったケニアの農家はこの間見て来たウガンダの農家に比べ、取り入れている技術や知識のレベルがだいぶ進んでいますね。それは畑の様子を見ただけでわかります。ケニアではトウモロコシがきちっと密集して整列していますから。また、ウガンダと違って、化学肥料や高収量品種の使用に関してもかなりの年数の経験がありました。

ある農家で新しい技術の採用のきっかけを聞いたのですが、おばさん曰く「10年くらい前に農業普及員が肥料と高収量品種のサンプルを配ってくれて、そんときに使い方も教えてくれたんだ。それがさ、驚くほど穫れたんだよー。そん時から近所のみんなも使い始めたんだ。うちでもそれからずっと使ってるんだ。」(訳 by Tomboya)とのこと。有益な技術は、それが有益だってことが知られさえすればすぐに普及するんですよね。当たり前だけど。

ウガンダの農家は今回見て回ったケニアの農家と比べて、採用している技術に関して10年以上遅れている感じがしました。ただ、私の予測ですが、今ウガンダは丁度過渡期でこれからそうした技術が「わっ」と普及すると思います。なぜなら幾つかの要因が、高収量品種や肥料の相対的なリターンを大きくしていますから。まず、農村の人口成長率は非常に高く、一戸あたりの作付け面積はどんどん狭くなってきています。したがって潜在的にこれまで以上に集約的な農法の需要は高まっています。さらにインフラの整備で輸入インプットの値段は多少下がるだろうし、穀物価格も短期的に多少下がることはあっても、長期的には上がるだろうし。商人だったら、ウガンダで農業インプットの流通を手がけてみては如何でしょう。(なお、私の予測が外れていても責任はとれません。)今まで、色々な政府の機関やNGOが行って来た農業技術の普及のための活動が実を結ばなかったのは、その技術が大して有益じゃ無かったからなんですよ。たぶん。現在進行中のウガンダでのプロジェクトが終わったら、もう少し確かな事が分かるはずです。

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