2009/08/20

Field Experiment in Uganda

先週またまたウガンダに行ってきました。今回の目的は、調査対象農家に対するフィールド実験第二弾を実施するための準備および事前テストを行うことでした。ちなみに、第一弾は今年の2、3月に行ったハイブリッドメイズの種と肥料の無料配布実験です。(詳しくはこちら。)今回の実験は、前回無料配布した種と肥料を対象農家とその隣人に対し市場価格で販売するというものです。次の作付けシーズンが始まる前に対象の69村で実施します。予定では8月の最終週から始めるはずだったのですが、幾つかの地域で作付けの準備が始まりそうという情報が入り、計画を前倒しし急遽行ってきました。

第1弾の実験で配った種と肥料の評判はすこぶる良く、中には800キロもメイズがとれたという農家もいました。彼はそれを売ったお金でメスの子牛を買ったそうです。私の知る限り実験参加農家の中でこの農家がこれまでの最高の収穫量を記録しています。ちなみに、今年は特に天候が悪く、在来種だと1エーカーあたりだいたい500キロくらいの収穫量だそうです。配った種と肥料は、4分の1エーカー分のものでした。ただし、農家は肥料を使った集約的な農法に慣れていないので、実際にはもっと大きな畑に畝の間隔を広めにとって作付けしていました。それでも、ハイブリッドと在来種との収量の差は歴然でした。

今回の実験では、(1)一度ハイブリッド種や化学肥料を使ったあと、それら農業インプットに対する需要がその前と後でどのくらい変化するか、(2)直接使ってはいないが、対象農家の経験を見聞きした近隣農家の需要はどのくらい増えるか、(3)その需要は価格の変化に対しどのくらい反応するか、(4)後払いが可能なとき、現金前払いの時とくらべてどのくらい需要が増えるか、等々を明らかにすることを狙っています。種屋が率先してやってくれても良いようなことを実施する予定です。

今回は、プロジェクトが計画通りうまく運ぶかどうかテストするために、調査地を3カ所訪れて、その内2カ所で種と肥料を売ってきました。結局、2カ所で合計25人の実験参加者に対し約100キロ強のハイブリッド種を売りました。結果はまずまず?かな。対象村のまとめ役に事前に電話連絡をして、何時何時に種と肥料を売りに行くから参加者にその旨伝えてくれとお願いしているのですが、全ての参加者にはプロジェクトの主旨が伝わっておらず、買いたいけど現金の持ち合わせがないから買えないという参加者も多かったです。連絡が徹底していたらもっと売れていたでしょう。今後は同じ村に、プロジェクトの説明と販売のため二度訪れることでこの点は解決しました。ただ、農民がハイブリッド種に興味津々なのは確かです。今回も話を聞きつけたプロジェクト対象外の農家も覗きに来て、売って欲しいと頼まれました。残念ながら、4輪駆動車の荷台に種と肥料を積んで対象村に出向いているのですが、輸送のキャパがないので断りました。

売り方は工夫の余地が沢山あるだろうし、工夫すればもっと売れるだろうから、ハイブリッド種の販売ビジネスは美味しいと思うんですけどね。何で民間のサプライヤー達がもっと活発に参入してこないのでしょう。今まさに、これからって時なのでしょうか。民間セクターはアニマルスピリットで利益の上がるビジネスの臭いを嗅ぎ付け次々参入が起こるから、そうそう美味しいビジネスなんて残っていない、というのが一般の認識だと思いますが、現実はそうでもないって事かな。

0 件のコメント:

コメントを投稿